Q, オランウータンの数の推移が知りたいです。今後の頭数の推移予測。
2004年時点で野生のオランウータンの生息数は、推定でスマトラ島に約6,500頭、ボルネオ島に約54,000頭、合計約60,500頭とされています。ちなみに有史以前にはスマトラには38万頭、ボルネオには42万頭、マレー半島に34万頭、ジャワ島にも少なくとも10万頭のオランウータンが生息していたと考えられます。
今後の頭数の推移は、人間の努力次第です。
Q, オランウータンは森が減少していることを本能的に理解して何か行動や変化をしているのでしょうか。
自分のまわりの森がなくなっているのは気がついています。ただボルネオ全体、スマトラ全体というスケールでは知りようがありません。もともと原生林に住んでいたオランでも、植林地やアブラヤシのプランテーションを利用するものもいます。
Q, 野生のオランウータン はマレーシア、インドネシア以外で生息できるようにはできないですか?
わかりません。野生のライオンがアメリカやヨーロッパの牧場に生息できるかどうかと同じようにわからないとしかいいようがありません。
Q, どうやって保護しますか(子供からの質問です)
生息地をこれ以上減らさず、いま住めない場所も住めるように木を植えたりすること。あと野外のオランウータンを獲ったり、殺したりしないこと。
Q, 保護してから自然に返すまでの大変なことを知りたいです。
オランウータンのこどもは長い時間をかけて母親から、森の地形や食べられる植物(葉や果実、花など)やその植物がどこにあるかを学びます。人間は縄文時代に狩猟採集していたからといって、都会育ちの青年をいきなり原生林に放して生きてみよというのと同じなんです。
Q, オランウータン保護と植林活動の関係について教えてください。
もともとの森がアブラヤシのプランテーションによって変わってしまい、オランが住みにくい環境になったため、オランが食べられる葉や果実がある森を育てることになりました。また自然な状態の森が途切れ途切れに残っているのを植林で結んで、オランが行き来できるようにするためです。
Q, オランウータンファミリーに必要な森の広さはどのくらいですか?
よくはわかっていません。でもスマトラオランウータンのオスの行動する範囲は、最低でも25㎢という結果が得られています。メスは8㎢程度のようです。
Q, オランウータンとチンパンジーでは知能が高いのはどっち?
オランもチンパンジーもヒトも、それぞれ別の知性をもっているので、比べることはできません。
Q, オランウータンとヒトは分かり合えるのでしょうか?
わたしは人間同士だって、どれくらい分かり合えるか疑問にもっています。ただ飼育下のオランと飼育員がある程度、意思疎通するようには思います。
Q, オランウータンは枝にぶら下がって寝ますか?
さすがに無理です。木の上に枝をたたんで作ったベッドに寝ます。そのベッドは毎日、別の場所に新しくつくります。
Q, オランウータンはどのくらいの木の高さが必要ですか?
木の高さよりもオランが登って大丈夫ぐらいな強さがあるかどうかです。
Q, オランウータンは主になにを食べているのでしょうか?
主に果実と葉です。
Q, オランウータンは絶滅危惧種なのですか。どのような保護活動がなされていますか。植林活動との関係は?
絶滅危惧種のもっともランクの高い近絶滅(Critical endangered)というカテゴリーで、「近い将来に絶滅する可能性が高い」とされています。
生息に適した森がこれ以上減らないように、また獲ったり殺したりしないようにという保護政策がとられています。
Q, お世話になります。新型コロナが収束すれば、是非マレーシアの森に行きたいと思っています。
ところで、オランウータンの生息地とマレーグマの生息地とは違うのですか。またマレーシアの熱帯雨林の植生について勉強したいので、書籍(日本語、英語)をお教えください。
マレーグマの生息地はマレー半島を含めて広いので、そのなかにオランウータンの生息地が含まれる感じです。
熱帯雨林の総論としては「熱帯雨林総論」(ホイットモア著、築地書館)が優れていて、「熱帯雨林の自然史」(安田雅俊ら著、東海大学出版部)、個別には「はじめてのフィールドワーク」「フィールド生物学」のシリーズ(東海大学出版部)に若手の個別の研究例が非常におもしろく描かれています。
Q, オランウータンと人との相違点?
哺乳類としての共通点以外の共通点は尻尾がないことと、道具を使うこと。あとは、だいたい違うと考えてください。
Q, オランウータンの数はどれだけ少なくなっているのですか。子供二人も一緒に参加します。よろしくお願いします。
過去100年の間に80%減、つまり100年前の5分の1になっています。
Q, 植林した森にオランウータンが棲むようになるには何年かかりますか?
住めるかどうかはわかりませんが、10年前に植林した森をすでに使っています。
Q, オランウータンの知能は人間と比べると何歳くらいでしょうか?
知性の種類が違うので比べられません。オランウータンは熱帯林の数百種もの植物を区別して食べられるかどうか知っていますが、おとなの人間でできる人はどれくらいいるでしょうか。
Q, 数十年間における生存オランウータンの減少数
過去100年の間に80%減、つまり100年前の5分の1になっています。
Q, 「オランウータン保護と植林活動」にはどれくらいの費用が拠出されていますか。
緑の募金箱の年間募金額にNPO未来プロセスからの寄付を合わせた100万円と植林活動研修経費です。
Q, オランウータンの数が減っているとは聞いていますが、実感がわかず、子供と試聴する予定です。ちなみに、子供からは、オランウータンも、言葉はあるのか?そして、あるとすれば、人間は解読できているのか?との質問が出て、答えられませんでした。可能であれば、よろしくお願い申し上げます。
言葉というものを音あるいは記号として定義すると、オランウータンをはじめチンパンジーもゴリラも持ってはいません。ただ、人間の使う言葉の一部を習得した例は知られています。
Q, オランウータンはひとりで行動しますか
はい、多くの場合はひとりか、母子です。オスは独り立ちしてからは、ほぼずっとひとりです。
Q, オランウータンは何の木に登るの?
なんでもです。特に特定の種類の木だけを選んで登っているという報告はありません。
Q, オランウータンの平均寿命はどれくらいでしょうか?
わかっていません。長寿な動物ほど、その平均寿命を知ることは困難です。ヒトの国勢調査のような調査は当然できませんし、オランウータン自身も何歳かは知らないと思います。だからこそ、長期的な視野での野外研究が大切なのです。
Q, オランウータンが新型コロナ感染リスクが「非常に高い」と聞きましたが、オランウータンにとっても生命に関わる病気なのでしょうか?また、どのような感染ルートがリスクになり、逆に人間に対しての感染ルートとしてのリスクもあるのでしょうか?
いまだCOVID-19で死に至ったオランウータンは確実な証拠をもっては知られていないと思いますが、類人猿全体で感染するのは間違いないし、どれくらい重態になるかわかりません。いったんオランウータンに広まったら人間にも感染することも間違いはありません。
Q, 日本にいて植林活動に応援できることは?
現在コロナで現地へ赴くことは難しい状況の中、どのような活動をされていますか?また私達にできることはありますか?
現地の支援となる緑の募金活動へぜひご協力ください
Q, 食事に協力をするには何をしたらいいんですか。
食となる草や実となる植林をすすめていきましょう。
Q, 植林活動に参加するにはどうしたらいいのですか?
今のところホロニクスグループ職員、関連会社職員への参加募集をおこなっております。今後は一般応募者の参加も頂けるよう検討したいと思います。
Q, マレーシア以外の国に植林する予定はありますか。
予定はありません。
Q, インドネシアの首都がカリマンタン島に遷都されるとの情報があります。野生動物への影響が危惧されます。現地ではどのように受け止められているのでしょうか。
私たちもインドネシアの首都が東カリマンタンに移転することを非常に懸念しています。首都移転は2021年に開始される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症危機のため延期の見込みと聞いています。移転は国にとってはよいことですが、カリマンタンのオランウータン個体数を含め、環境への影響は非常に大きなものとなるでしょう。サバ州のオランウータン個体群を長期にわたって生き残っていけるようにすることが、より一層重要なこととになります。彼らがボルネオ島で最後の個体群となるかもしれないのです。
Q, コロナウイルス感染拡大の状況で、どの程度活動が行われているのでしょうか?
2020年は新型コロナウイルス感染症によるロックダウンによりフィールドワークを2回(3月から5月、および10月から11月)も中止しなければなりませんでした。森林再生チームにとっては、2020年に植林する木の本数が計画していたよりも少なくなってしまいました。しかし最も重要なのは、植林された苗が枯れないよう定期的に実施すべきメンテナンスラウンドに影響が出ることです。森林再生ユニットの女性スタッフたちはとても勇敢で、警察から特別な許可を得て、他のHutanユニットがステイホームしているあいだもメンテナンス作業をしに行きました。幸いなことにすべてうまくいき、現在のところ誰も感染していません。
Q, イザベル先生はどうしてこの活動をしようとおもったのですか?
私は23年前にオランウータン研究のためボルネオに来ました。その前にもヨーロッパの動物園でオランウータンの研究をしていて、野生のオランウータンに携わる仕事に情熱を持っていました。その後もボルネオに長く滞在することになったのは、Hutanの素晴らしいプロジェクトチームのおかげで、オランウータンやその他の野生動物の保護のために、長期的に有益な仕事をしていると確信しているからです。
Q, 植林活動ではどのような木を植えていますか。
トウダイグサ科アカメガシワ属の植物や、クワ科イチジク属の苗などの複数種を植林しています。
Q, 日本以外の他国の関与、協力はどうですか?
WWF(世界自然保護基金)といった自然保護環境団体や、日本のJICA(国際協力機構)など様々な団体や組織がサバ州で環境保護にかかわる活動をしています。
Q, 9歳の小学生に何か出来ることはありますか?
先ずは、世界の熱帯林で何が起こっているのかを知ることが大切です。知ることこそが、環境保護の第一歩だと思います。私たちの生活の身近なものを調べることで、そういった現状を知ることができるはずです。例えば、チョコレートやポテトチップスなどの原料(植物油)がどこから来るのか、そしてそれはどのような環境で作られているのかを調べてみるのも良いでしょう。
Q, 去年の夏にマレーシアのコタキナバルに行きました。そこでテングザルを見たのですが、テングザルを通してSDGsのことを学べたら嬉しいです。9歳の娘が興味を持っていて、今回は娘の為に申し込みしました。どうぞよろしくお願い致します。
テングザルもオランウータンと同じように、生息する森が減少し、絶滅の危機に瀕している霊長類です。大きな鼻と太鼓腹は、オランウータンにはない、テングザル独特の特徴ですよね。ぜひ、テングザルのことを学びながら、熱帯雨林の将来、わたしたち地球の将来を考えてみてください。