出演者紹介
湯本 貴和 教授
- 京都大学 霊長類研究所 所長
- 社会生態研究部門 生態保全分野 教授
- 日本生態学会 会長
世界各地で動物と植物の相互関係を研究する。総合地球環境学研究所に9年在籍し多様性領域プロジェクト「日本列島における人間-自然相互関係の歴史的・文化的検討」で日本列島の半自然草原や里山を含む自然の成り立ちを共同研究の後、2012年より京都大学 霊長類研究所に異動、大型類人猿を含む霊長類群集と植生構造の比較研究を行う。
人間活動の影響で、「生命の森」ともいうべき熱帯雨林が急速に減少し、そこに住む動物たちが絶滅に危機に瀕しています。商業伐採や農地開発などが、熱帯雨林減少の原因とされていますが、そのような経済活動をただ禁止してしまえばいいというものでもありません。熱帯雨林のある地域にも、人々の生活があり、生きるための産業が必要だからです。いま私たちに必要なのは、森林に住む動物たちと共存できる林業や農業、あるいは別の産業の提案であり、森と共に生きる地域住民の活動へのサポートです。熱帯から遠く離れて暮らす私たちにもできることは何かを一緒に考えてみませんか?
松田 一希 准教授
「コロンビア、マレーシア、ウガンダの熱帯林で野生霊長類の生態を探る研究をしている4人の子の父」とご本人談。
1978年生まれ。京都大学霊長類研究所 特定助教を経て現職。
日本霊長類学会高島賞、日本生態学会宮地賞などの受賞。「動物奇想天外」「ダーウィンが来た」「所さんの目がテン」「情熱大陸」など数々の人気TV番組の監修・出演で活躍!
コロンビア、マレーシア、ウガンダの熱帯林でのフィールドワークを通じて、さまざまな野生霊長類の生態を探る研究をしています。中でも最も長い期間観察を続けているのが、マレーシアのボルネオ島に生息するテングザルです。研究当初は、このサルが森の中で何をして何を食べているのかといった、基礎的なことすらわかっていない謎に満ちたサルでした。誰も知らない、見たこともない動物のくらしを一から暴いていく過程は、辛いジャングルでの暮らしを忘れるほどに魅力的なことでした。今年で15年もの間、テングザルの生態を追い続けていますが、「あの天狗のような長い鼻はなんのため?」、「あの大きな太鼓腹の中はどうなっているの?」など、まだまだ謎の多い不思議な動物です。
イザベル・ラックマン 博士
絶滅の危機に瀕しているボルネオ島のオランウータンの研究と保護を目的に、1998年にマレーシアのボルネオ島キナバタンガンにNGO HUTANを設立。オランウータンをはじめとする希少動物の保護や植林、教育啓発、自然環境調査を約50 名の現地雇用スタッフとともに組織的に展開している。
─ 2020年11月28日、マレーシア ボルネオ島よりメッセージをお届けします ─
谷 淑子 副理事長
- ホロニクスグループ 副代表
- 一般財団法人ホロニクス医学健康振興財団 理事長
- 特定非営利活動法人法人未来プロセス 副理事長
- ホロニクスヘルスケア㈱ 医療美容事業部門 スーパーバイザー
植林活動はこの1本から始まりました
NPO法人未来プロセスが取組む植林活動は、今から17年前、砂漠化が進行する内モンゴル自治区クブチ砂漠での植樹から始まりました。その後もグループ職員有志によるクブチでの植林を続けた後、2015年からは京都大学霊長類研究所所長 湯本貴和先生のご協力のもと、マレーシア・ボルネオ島で環境保全活動を長年続けるNGO HUTANへの寄付と現地での植林活動研修を継続して行っています。
21回目を迎える健康フォーラム、コロナウイルス感染症の影響で大規模集会の開催が困難なことを鑑みて、今年は環境保全活動報告をテーマに初のオンライン配信スペシャルの開催となりました。このプログラムを通して視聴者の皆さんと共に環境保全活動の重要性を再認識し、国連が進めるSDGsへの積極的な参画が継続できれば幸いです。
最後に、ご出演頂く湯本先生、松田先生、コーディネーターのハイヒール・リンゴさんのご協力に心から感謝致します。